UFOの秘密主義を理解する

序文

過去数年間、私はUFO・地球外生命体問題について合衆国と外国双方の政府高官と指導的科学者に報告する 責任を担ってきた。

このテーマに関する証拠は明白であり、圧倒的である。UFOの事実そのものについての説得力ある証拠を示す ことはさほど難しくない。より大きなチャレンジは、UFOに関する秘密主義の構造を説明することである(この 問題についての解説は私の"Unacknowledged"と題する論文の中に述べられている)。しかし最大のチャレンジ は、「なぜなのか」を説明することである。一体なぜ秘密にされるのか? なぜ政府の中に「闇の」、認知 されない政府が存在するのか? なぜUFO/ETの問題を大衆の目から隠すのか?

「何が存在するのか」またはその証拠を提示することは、複雑ではあるが、可能である。しかしそれが 「いかに働いているのか」、つまり極秘計画の性質を理解することははるかに複雑であり、迷宮的である。 そして、「なぜ」――秘密主義の背後にある理由――は最大の謎である。この問題への唯一の答えは存在し ない。これほど途方もない秘密主義には相互に絡み合った多くの理由が存在している。我々はこの計画の内部 にいる何十人もの最高機密の目撃者へのインタビューと調査によって、この秘密の背後にある理由を解明して きた。それらはかなり明白で分かりやすいものから実に奇怪なものにまで及んでいる。

ここで私は、この秘密に関するいくつかのキー・ポイントを提示し、なぜそれが強いられなければならない のか、そして、この秘密計画の内部にいる支配的な利害関係者たちがこの政策を逆転させ、情報公開を許すこと がなぜそれほど困難なのかを示したいと思う。

はじめに

ET/UFO現象の初期の頃には、軍、情報機関、産業界はこの現象の性質に関心を抱いていた。つまり、それが 敵対国によるものではないかと懸念していたのだが、いったんそれが地球外のものであることが決定的にな ると、大衆がどう反応するかを懸念した。

1930年代と40年代には、これは小さな問題ではなかった。もしこれらのUFOが地球で製造されたものなら、 それは合衆国の戦闘機よりもはるかに進歩した技術装置を持つ敵が存在するという証拠であろう。しかし、 いったんそれが地球外のものであると決定されると(このことは第2次世界大戦の終結までには知られていた)、 疑問はさらに膨らんだ。ETはなぜここにいるのか? 彼らの意図は何か? その装置はどうやってあれほど 高速で宇宙空間を移動できるのか? これらのテクノロジーは人間の状況に――戦時と平和時の双方において ――いかに適用できるだろうか? 大衆はこれを知ってどう反応するだろうか? この事実を公表することは 人間の信仰や信条にどのような影響をもたらすだろうか? 政治、社会制度はどうなるだろうか?

1940年代後半から1950年代前半にかけて、これらの宇宙船の背後にある基礎科学とテクノロジーを解明する ための集中した取り組みが行われた。これは主に直接的な研究と、ニューメキシコその他で回収された地球外 飛行体のリバース・エンジニアリングによって行われた。すぐに明らかになったのは、これらの物体は、内燃 エンジンや真空管などよりもはるかに進歩した物理法則とその応用技術を利用しているということだった。冷戦 の空気の中では、比較的小さな技術進歩が核開発競争のバランスを揺さぶる可能性があったために、これは重大 な問題であった。

実際、政治的混乱という問題はUFOに関する秘密主義を巡って繰り返し出てくるテーマである。それは現在に 至るまで続いている。このことについては後で述べる。

1950年のカナダ政府の最高機密文書「ウィルバースミス」から、我々はこの問題が水素爆弾開発以上の国家 機密であったことが分かる。1940年代後半から秘密裏に地球外飛行体の研究に膨大な努力が払われ、それが いかに作動するか、この発見が人間にどう応用できるかが調べられた。当時でさえ、この問題に関する プロジェクトは極度の秘密主義をもって扱われた。

ETの飛行エネルギーおよび推進システムの背後にある基礎物理学のいくつかについてかなりの進展が見られ た1950年代初頭には、この傾向はますます激しくなった。我々の推測では、プロジェクト全体がますます 「闇の」認知されないものになっていったのはこの時期であると思われる。

UFOに関するプロジェクトを扱う部門の細分化は1950年代初期までに大幅に進行した。そのときまでには、 この秘密プロジェクトの持つ意味が認識されていた:それは、もしも公表されれば、地上の生活を永久に変えて しまう物理学とエネルギー・システムを備えた装置であった。

アイゼンハウアー時代までに、UFO/ETプロジェクトはまずます細分化され、合法的で憲法に則った指揮系統 の監督とコントロールから逸脱していった。これは――我々は目撃証言からアイゼンハウアーがETの乗物に ついての知識を持っていたことを知っているのだが――大統領(および英国その他の政府の指導者たち)が どんどんプロジェクトから疎外されていったことを意味する。選挙によって選出され任命されたこれらの指導者 たちは、(アイゼンハウアーが呼んだところの)洗練された軍産複合体と対決することになり、それはますます コントロールと監視を離れていく迷宮のような細分化されたプロジェクトを持っていた。

直接目撃証言から我々は、アイゼンハウアー、ケネディ、カーター、そしてクリントンの各大統領がこれら のプロジェクトの本質に迫ろうと試みながらも果たせなかったことに不満を持っていたことを知っている。

これはまた議会の指導者たちや調査機関、海外の指導者や国連についても言えることである。これはまったく 機会平等を排したプロジェクトである――どんなに役職が高くとも、プロジェクトにとって必要でないならば、 それについて一切知らされることはない。

一般に信じられている神話とは異なり、1960年代以来ETの存在を知らせることによる大衆パニックへの懸念 は秘密主義の大きな理由ではなかった。事実を知る人々は、――UFOサークルやX-Filesに興味を持つ人々の 空想的な物語にもかかわらず――敵対的なETへの恐れが重大な要素ではなかったと理解している。ET現象の背後 にある究極目的についてさまざまな憶測が飛び交っているが、我々の知る限り、内部事情を知る関係者でETの 脅威を認めた者は誰もいない。

1960年代までには――もちろん1990年代もそうだが――世界は宇宙飛行や通俗科学の概念に慣れ親しんで いた。映画産業は大衆を条件付け、ETの概念を一つの可能性以上のものにしていた。それならば、なぜ秘密主義 を続ける必要があるのか?

冷戦は終わった。我々が宇宙でたった独りの存在ではないと知ったところで人々はほとんどショックを受ける ことはあるまい(大部分の人々はすでにそれを信じている――実際多くの人々はUFOが事実であることを信じて いる)。さらに、世界のあらゆる大都市が数千の水素爆弾の標的になっている中で20世紀の後半を生きてきた という以上に驚くべきことがあるだろうか? 我々がこの事態に対処できるなら、ETが現実であるという アイデアにも確かに対処できるに違いない。

大衆パニックや恐怖などの説明は、これほど深いレベル、大統領とCIA長官ですらその情報へのアクセスを 拒否されるほどの秘密主義を正当化するには十分ではない。

現在の推測

現在も継続しているUFO問題についての秘密主義は、現在進行中の世界の政治力学に関する懸念、そしてこの ような情報公開が与えるインパクトと関連付けられなければならない。

すなわち、UFO/ET 現象に関する知識は、あらゆる犠牲を払っても抑えつけておかなければならないほど、 現状の変化を引き起こす可能性を持っているということである。

1950年代初頭に遡ると、これらのET宇宙船の背後にあるテクノロジーと物理学は非常に集中したリバース・ エンジニアリング・プロジェクトによって発見されたということが分かる。秘密主義を前例のないレベルにまで 高める決定が下されたのはまさにこのときである――それは本質的に通常の政府による指揮系統の外部にある ものとして扱われたのである。なぜか?

冷戦の間にこのような知識が合衆国と英国の敵対国によって用いられたかもしれないという可能性とは別に、 すぐに気づくのは、これらの装置は安全なものではないということである。エネルギー生産技術と推進技術の 背後にある基礎物理学は、地上における既存のエネルギー生産技術と推進技術に容易に置きかえられるもの だった。だがそれと共に、政治的、経済的秩序全体が変化する。

1950年代には、地球温暖化、生態系の破壊、オゾン層破壊、森林消滅、生物多様性の荒廃などの問題は存在 しなかった。戦後まもなくの時期に必要とされたのは安定であり、世界経済、テクノロジー、政治秩序の激動 ではなかった。次のことを忘れてはならない:支配者は権力の座に留まりたがる。リスクを嫌い、大きな変化を 好まず、簡単に支配権と権力を手放そうとはしない。

ETの存在の公表と、それに必然的に伴う新しいテクノロジーの公表は、世界を永遠に変えてしまうだろう―― 彼らはそれを知っている。これは何としても避けなければならない。加えて、その頃は「GM(ジェネラル・ モーターズ社)にとって善いものはアメリカにとっても善い」という時代だった。石油資本、石炭資本などに ついても同じことが言える。

間違えようのない事実とはこれである:ETの存在を公表することはそのテクノロジーの解放につながり、 その解放は地球上のあらゆるテクノロジー基盤を一掃するだろう。変化は急激で、突然に起こるだろう。

50年後の今、このことは当時よりもさらに当てはまる。なぜか? なぜなら1950年に回避した問題―― 当時はそれが都合よかったのだが――は今になって一層差し迫った状況を生み出しているからである。例えば、 世界の石油と内燃技術への依存は1955年よりも高まっている。そして世界経済は当時よりもはるかに巨大化して おり、いかなる変化もとてつもなく巨大で、はるかに混沌とした状況を引き起こすだろう。

ここに難題がある。各々の世代はこの問題を次の世代に引継いだのだが、秘密主義を破ることは前の世代より もはるかに困難になっていくのである。秘密主義の悪循環、情報公開の遅延、世界の複雑さの増大と時代遅れの エネルギー機構への依存といった事態の中で、各々の世代は前の世代よりもはるかに切羽詰っている。1950年代 に困難であった情報開示は、現在ではより一層困難なものになっている。それは文字通り世界を揺さぶるものに なるだろう。

1950年代に地球外飛行物体のリバース・エンジニアリングによって得られた技術的発見は、世界経済、社会、 科学、環境を完全に変えてしまうことができたかもしれない。このような進歩が大衆の目から隠されたことは、 当時の――そして今日に至る――支配者層の変化を嫌う性質と関わっている。

この点を間違えてはならない;変化は莫大なものになるだろう。

考えてみてほしい:いわゆる「ゼロ・ポイント・フィールド」からエネルギーを生み出すことができる テクノロジーによって、あらゆる家庭、職場、工場、乗物が自力でエネルギーを得ることが可能になる―― 外部の燃料源なしに。永久にだ。石油、ガス、石炭、原発、内燃エンジンは必要なくなる。汚染は一切ない。

考えてみてほしい。地表を浮かびながら移動することを可能にする電重力装置を用いるテクノロジーを。 農場を覆う道路網はもはや必要なくなる。輸送は地表の上を通って行われることになるからだ。

これはとてつもないことに思われる。しかし1950年代には、石油は豊富にあり、汚染について心配する人は おらず、地球温暖化はまったく問題ではなく、安定と現状維持のみが求められていた。それに加えて、なぜ そのような情報公開に伴う変動のリスクを犯さねばならないのか? それは後の世代に任せよう。

しかし今、我々はその後の世代に属している。そして2001年は1949年ではない。地球は人口増大の重荷の下 で緊迫している――60億の人口はみな車、電気、テレビその他を求めている。石油があと50年ももたないことは 誰もが知っている――たとえもったとしても、地球の生態系はあと50年もの資源濫費に耐えることはできない だろう。情報公開のリスクは秘密主義のリスクよりもはるかに小さい:もしもこれ以上秘密主義が続くならば、 地球の生態系は崩壊するだろう。

このような情報公開による技術的、経済的インパクトは秘密主義の継続を正当化すると考える人々も多い だろう。結果的に、それは経済に年間何百兆ドルもの変化を引き起こすことになる。エネルギーと輸送の経済 分野全体に革命が起こるだろう。そしてエネルギー分野――リサイクル不能な燃料が購入され、燃焼され、 補給されなければならない分野――は完全に消滅するだろう。他の産業は繁栄する一方で、このような何百兆 ドル規模の経済分野が消滅することのインパクトを無視できるのは愚か者だけであろう。

もちろん、石油、ガス、石炭、内燃エンジンや公益事業に関係した世界的産業基盤に関わっている 「既得権者たち」は世界で決して小さな勢力ではない。

しかしUFO秘密主義を理解するためには、これらの資本全体がその核心において何を代表しているのかを 考える必要がある。権力である。巨大な地球規模の政治的パワーである。

インドやアフリカ、南米や中国のあらゆる村に、汚染もなく、燃料にかかる多くの費用もいらない大規模な 発電装置ができるとどうなるかを考えてみなければならない。全世界が前例のないやり方で発展することが可能 になるだろう。そこには公害もなく、発電所や電線や燃料に費やす何百億ドルもの資金も必要ない。 持たざる者が持てる者に変貌するだろう。

このことは広く考えれば善いこととみなされるだろう。結局のところ、世界の不安定さや戦争の多くは、 豊かな世界の只中にある苦々しい貧困や経済格差に起因しているのだから。社会的不正義と極端な経済格差は 世界に多くの混乱と苦悩をもたらしている。この分権的で汚染のないテクノロジーはこの状況を恒久的に変える だろう。砂漠でさえも花開くだろう。

しかし、政治権力はテクノロジーと経済の優越に由来することを忘れてはならない。インドには10億を超える 人口があり、合衆国はその4分の1である。しかし、より多くの政治的パワーを持っているのはどちら だろうか?

この新しいエネルギー・システムが広まるにつれて、いわゆる第三世界は急速にヨーロッパ、アメリカ、 日本などの先進工業国と対等の立場に追いつくだろう。これは政治的パワーの大幅なシフトを引き起こす だろう。先進世界は、現在の遅れた第三世界と実際に権力を分かち合わなければならないことに気づく だろう。

現在(そして1950年にも)豊かな立場にいる人々はそんなことには何の関心もない。我々は国連の中でさえ 権力を分かち合うことはほとんどできないのだ。

UFO/ET問題に関する情報開示は、新しいエネルギー・システムの世界的拡散につながり、それは急速に世界の パワーを平等化するだろう。アメリカとヨーロッパには約六億の人口がいる。これは世界人口の10%に すぎない。他の90%がテクノロジーと経済力を背景に立ちあがったら、世界の政治勢力が残りの世界にシフト する――または平等化する――ことは明らかだろう。権力は分かち合われなければならない。真の地球的安全 保障が不可欠である。それは現在我々が知っているような世界の終焉を意味する。

先に述べた経済的技術的インパクトと政治的インパクトを組み合わせるならば、秘密主義を終わらせること に伴う変化が真の地殻変動をもたらすことは明らかである。それは巨大なものとなり、全世界を変容させる だろう。このことは軽くみなされるべきではない。

しかし我々がこの新しいテクノロジーを持って50年たった後に――そして50年に及ぶ生態系の荒廃、社会 経済的混沌と不平等を経て――我々は自らがUFO秘密問題として知られる宇宙的な「熱いじゃがいも」を手渡 された最後の世代であることに気づく。

そして我々は「熱いじゃがいも」を持ってここに立っている。しかし我々には何ができるだろうか?

秘密主義を終わらせることは人間存在のあらゆる側面に広く深遠な変化をもたらす。それは経済、社会、 テクノロジー、哲学、政治などにも及ぶ。だが秘密主義と新しいエネルギー及び推進技術の公表を抑え続ける ことは、もっと悲惨な結果を招くことになる:地球生態系の崩壊と我々が依存する化石燃料の枯渇である。 何よりも、持たざる者たちの高まる怒りである。彼等は不必要に充足した尊厳ある生活を奪われてきたのだ。 これ以上この宇宙的な「熱いじゃがいも」手渡すことのできる世代は存在しない。我々は1950年にそうある べきであった仕方でそれに対処しなければならない。

我々の紡いだ網

これまで述べてきたことに加えて、この秘密主義を維持するためにどれほどとてつもないことが行われて きたかを想像してほしい。大統領やCIA長官、議会の指導者たち、英国首相などを欺くことができるほどの 秘密主義を維持し、拡大するのに必要な整備機構はかなりのものである――しかもそれは非合法なのだ。 ここではっきりさせてほしい。UFO問題とそれに関わるテクノロジーを支配している人物は、地上のいかなる 政府やいかなる指導者よりも巨大な権力を握っているのだということを。

このような状況はあらかじめアイゼンハウアー大統領によって警告されていた。19611月に、彼は増大する 「軍産複合体」に関して我々に警告を発した。これは大統領としての彼の最後の演説であり、その場で彼は 個人的に知っていた恐るべき状況について警鐘を鳴らしたのである。アイゼンハウアーはETの宇宙船とETの遺体 を見ていた。彼は、この状況を隠されたプロジェクトが処理していることを知っていた。しかし彼は、自分が このプロジェクトのコントロールを失っており、その調査と開発研究の中身について虚偽の報告が行われている ことにも気づいていたのである。

実際に、現在行われている秘密主義の術は多種多様で、擬似政府、擬似民間組織といってよいものを形成して おり、国際的であると同時に、その機能はいかなる機関や政府の監視も免れている。我々が知っているような、 トマス・ジェファーソンが定義した「政府」は完全に蚊帳の外にある。その代わりに、選び抜かれ、きつく管理 され細分化された「闇の」認知されざるプロジェクトがこの問題をコントロールしている。それにアクセスする ためには内部の人間になるしかなく、内部の人間でなければ、CIA長官だろうが大統領だろうが上院議会対外 交渉委員長だろうが国連事務総長だろうが関係なしに、それについて知ることはなく、そのプロジェクトに 近づくこともできない。

実際、状況はあまりにどうしようもなく、私が報告を行ったペンタゴンの高官でさえ、一市民以上にこの プロジェクトに近づくことはできなかった――何らかの理由で「内部の人間」にならない限り。しかしこれは 稀なことである。

このような権力を獲得し、それを維持するために、あらゆる種類のことが行われてきた。それはロバート・ フロストの「我々の紡いだ網」という詩を連想させる。しかし、このような秘密主義、欺瞞、虚偽、背信行為 の網はどのように紡ぎ出されたのだろうか?

このグループは法的には認められていない権力と権利を行使している。それは合衆国、英国その他の国に おける超法規的存在である。

少なくとも当初は、この秘密行動は世界の不安定化を避けるために行われていたのかもしれないという 可能性は私も認める。しかし機密漏れのリスク――または世界の指導者が合法的に情報公開を決断するリスク ――のために、秘密主義の網をどんどん大きく紡ぎ、活動を非合法化することが必要になったのではないか。 そしていまやその活動そのものが網によって密閉されてしまったのだ。

すなわち、細分化されたプロジェクトの複雑さ、法的に根拠のない活動の度合い、協力企業(軍の「産業」 部門――産業複合体)による進歩したテクノロジーの「私有化」(あるいは剽窃)、合法的に選出され任命 された指導者たちおよび一般大衆への継続的な嘘―――これらのものが、そしてこれら以上のものが秘密主義 の持続という心理に寄与したのである。なぜなら秘密の公開は史上最大のスキャンダルを暴露するだろう から。

例えば、地球全体の生態系の荒廃と、汚染によって絶滅の危機に瀕している何千種もの動植物の損失が まったく不必要なものだったということを知らされたとしたら、大衆はどう反応するだろうか? これらの ことは1950年代に率直な情報公開が行われていれば避けられたかもしれないのである。

何年にもわたって非合法的なプロジェクトに費やされてきた何兆ドルものお金について知ったら、 社会はどう反応するだろうか? これらの税金は企業によってETの物体の研究から派生したテクノロジー 開発のために秘密裏に用いられ、それが後にそれらの企業に多くの利潤をもたらしていたということを 知ったならばどうであろうか。納税者たちは欺かれていただけではなく、これらの技術開発のための賃金を 支払わされてもいたのである! そしてこれには、ETからのテクノロジーに関する知的所有権の剽窃 も含まれる。基礎となるエネルギー生産技術と推進技術は公表を控えられていたものの、これらの企業は エレクトロニクスやマイクロコンピューターなどの分野で広く恩恵をこうむってきたのである。このような 秘密のテクノロジーの剽窃は何兆ドル分にも及ぶものであり、それは本来なら公共の分野となるべき ものである。その資金は税金から賄われたのだから。

さらに、何百億ドルもの資金が投入された内燃エンジン・ロケットを用いて行われた宇宙計画が原始的で まったく不要な実験だったことが分かると大衆はどう反応するであろうか? 我々が月に到達するまでに、 もっと進歩したテクノロジーと推進力が存在していたのである。NASAとその関連機関は、その大部分が、 政府や一般大衆と同じように秘密主義の犠牲者である。NASAのうち、そのプロジェクトに隠されていた真の ETテクノロジーについて知っていたのはごく少数の一派にすぎない。私の叔父は、ニール・アームストロング が月に飛んだときの月面飛行機の設計をしていた。彼もまた犠牲者だったのだ。この技術的ブレイクスルー へのアクセスを拒絶されていたのだから。彼は他の誰もがそうであったように、古い物理学と古い内燃 ジェット式軌道制御ロケットのテクノロジーに頼らなければならなかったのだ。何と恥ずべきこと だろうか。

逃れようのない現実はこのことである:この秘密プロジェクトは、当初はいかに良き意図を持っていた としても、その隠された権力をいつまでも維持し続け、誤用したのである。それは結果的に我々の未来を50年 にわたって乗っ取ることになった。

事実上、1940年代後期と1950年代初期に行われた「静かなクーデター」は、いったん暴露されれば、真の 混乱を引き起こす可能性がある。

しかし状況は実際にはもっと深刻である。これまでに述べたことはすべて、これから述べるもっと大きな 問題に比べれば小さなことに思われる。つまり、これらのUFOに関するブラック・プロジェクトを仕切っていた 秘密グループは、初期の地球外生命体と人類の間の萌芽的な関係を排他的に支配したのである。そしてそれは 悲劇的に誤ったものであった――ほとんど地球的破局をもたらすところだったのだ。

公に選挙で選ばれたのではなく、自力で地位を得た軍事的志向のグループが、単独で人間とETの種族関係を 扱うときに何が起こるだろうか? どんな分野においても、赤い眼鏡をかけていれば全世界が赤く見える ものだ。軍の眼鏡をかけていれば、どんな未知の発展も潜在的に現実の軍事的脅威とみなされる。

このようなグループの性質――それは正常なコントロールを受けず、排他的である――は、均一的な世界観 と思考様式を持っている。力と支配が第一の特質である。極度の秘密主義は、チェック・アンド・バランス機構 を完全に欠いた非常に危険な雰囲気を作り出す。このような環境の中では、不十分な情報、思慮を欠いた議論、 狭い洞察から非常に危険な決断が下され、広い視野は力によって排除される。

このような極度の秘密主義、軍事主義、精神錯乱の雰囲気の中で、ETに対して非常に危険な行動が取られた ことを我々は知った。事実、複数の内部関係者が、地球外物体を追跡し、標的にし、破壊するために進歩した テクノロジーが利用されたと述べている。もしこれが事実である可能性が10%でもあるならば(私は100%確信 しているが)、我々はまったくコントロールできない、しかも惑星全体を危険にさらすような外交的、社会的 危機の只中に立たされていることになる。

忘れてはならないのは、秘密のリバース・エンジニアリング・プロジェクトはテクノロジーの飛躍的発展を もたらし、いったんそれが軍事目的に利用されれば、ETにとっても現実的な脅威となりうるということである。 しかしETは平和的な意図を持ってやって来ているのかもしれないのだ。宇宙空間を急速に軍事化しようという 試みは、地球外物体の意図に対する近視眼的、軍事的、そしてパラノイア的な観点の結果である可能性が高い。 それがチェックされないままに放置されれば、破局につながるだけである。

このグループは、いかに善意ではあっても、緊急に情報を公開し、新しい視野を持つ国際的な政治家たちに この状況を扱う機会を与えるべきである。我々はETの文明が敵対的であるという証拠を何も持っていないが、 彼らの活動が妨害されることを許さないだろうことは明らかである。自己防衛は普遍的な性質であろう。これ までのところETの側は途方もない自重を示しているが、人類が秘密のテクノロジーをさらに発達させ、それを 好戦的なやり方で用いたとしたら、「宇宙的導火線」に火をつけることになるのではないか? これは考えた だけでも恐ろしい展望である。

我々はこの大問題に取り組むジミー・カーターやダライ・ラマのような国際的政治家を必要としている。 しかし、近づくことが拒否され、この問題が秘密のままに置かれるならば、我々は公に選ばれたのではない 少数の人々に我々の運命を決定させ、我々の代わりに行動するのを許すことになる。これは変えなければ ならない。直ちにだ。

UFOETに関する情報公開がもたらす変化は必然的に地上のあらゆる分野に巨大で深遠な変化をもたらす としても、結局のところ、それを行うのが正しいことなのである。秘密主義はそれ自身の生命を持つ―― それは増殖する癌のようなものであり、この地球の生命を破壊する前に治癒されなければならない。

秘密主義の理由は明らかになった:地球的権力、経済とテクノロジーの支配、政治的現状維持、その プロジェクトとそれにまつわる行動が暴露されるスキャンダルへの恐怖などである。

しかし、秘密主義を続けることは、情報公開よりもさらに危険である。地球は死にかかっている。我々が 殺しているからだ。世界で最も豊かな250人の人々が最も貧しい25億人と同じだけの財産を持っている。人類 と他の惑星の人々との間の前途有望な関係が、間違った思考と完全な秘密の中で運営されている間違った計画 によって軍事化され、緊張をもたらしている。

情報公開が短期的には不安定と変化をもたらすとしても、秘密主義の継続は我々の愚昧さと貪欲のために 地球を破壊することを意味する。過去50年間に遅らされ乗っ取られた人類の未来は、あと50年乗っ取られ続ける ことはできない。なぜなら、我々にはあと50年も残されていないからだ――地球の生態系はその前に崩壊して しまうだろうから。

これは容易な選択ではない。しかし正しい選択である。あなたはそれを手伝ってくれるだろうか?

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